人に頼るのではなく、仕組みで業務を支える。業務構造設計室が考える「業務を構造する」という考え方について紹介します。
私はこれまで、さまざまな職場で「その人がいないと仕事が回らない」という状況を見てきました。
いわゆる「属人化」と呼ばれる状態です。
経営者ではなく、長年その仕事を担当してきたベテラン社員や中間管理職が業務の中心となり、その人が突然退職したことで会社全体が大きく混乱した、という話も耳にしたことがあります。
また、人事異動や退職のたびに、現場の仕事がまるで新しい業務になったかのように変わってしまう。
担当者が変わると、仕事の進め方まで変わる。
そんなことが当たり前のように起きている現場も少なくありません。
引き継ぎ資料が十分に整備されていないため、新しく担当になった人が業務を理解できず、不安を抱えながら仕事を覚える。
結果として精神的な負担が大きくなったり、深夜まで残業しなければ業務が終わらなかったりする。
こうした話も、これまで何度も見聞きしてきました。
もちろん、これは現場で働く人たちの努力不足ではありません。
日々の業務に追われる中で、「あとでメモを残そう」「マニュアルを書こう」と思っていても、その時間すら確保できないことが多いからです。
そして忙しさの中で手順は記録されず、担当者だけが知っている仕事が少しずつ増えていきます。
私は、この状況は「人」を変えることで解決するのではなく、「仕組み」を変えることで改善できるのではないかと考えました。
もし、普段の業務の中で入力した内容が、そのまま手順書や引き継ぎ資料として整理され、さらに業務上のリスクまで可視化できる仕組みがあればどうでしょうか。
「マニュアルを作る」という仕事を別に増やすのではなく、日常業務そのものが記録となり、自然に引き継ぎ資料が完成していく。
そんな仕組みがあれば、属人化のリスクは減らせるのではないかと思いました。
私は、この考え方を「業務を構造する」と呼んでいます。
人に依存するのではなく、業務そのものを分解し、整理し、誰が担当しても一定の品質で進められる状態を目指す。
業務を「人」が支えるのではなく、「構造」が支える状態をつくる。
それが、業務構造設計室を立ち上げた理由です。
当初は、各法人ごとの業務改善を支援する相談業務を中心に考えていました。
しかし、それだけでは十分ではないと感じ、実際に現場で使えるツールの開発にも取り組み始めました。
その一つが「KOZO-Editor」です。
日々の業務を記録することが、そのまま引き継ぎ書となる。
急な病気や休職、異動、退職といった場面でも、記録を確認することで業務内容を理解し、次の担当者が仕事を継続できる。
そんな環境づくりを目指して開発しています。
人に頼るのではなく、構造で支える。
業務を分解し、整理し、記録することで、特定の人だけが仕事を知っている状態を少しずつ減らしていく。
誰かが休んでも、異動しても、退職しても、必要な情報を確認すれば仕事を続けられる。
これが、私の考える「業務を構造する」という考え方です。